【為替】ヘッジファンドは円売りを自制したのか? | 吉田恒の為替デイリー | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

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先週(7月21日週)一服したヘッジFの円売り

ヘッジFの取引を反映しているCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の円ポジションは、買い越し(米ドル売り越し)が7月22日現在で10.6万枚となり、1週間前より小幅ながら拡大した(図表1参照)。このところ続いていた円買い越しの縮小が一服した形となったわけだ。

【図表1】CFTC統計の投機筋の円ポジション(2022年1月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成 7月20日の日本の参院選の結果を受けて、21日以降米ドル/円は一時146円割れまで米ドル安・円高となった。では、それ以前に一時149円まで米ドル高・円安となったことなどから続いた投機筋の円買いポジション縮小の動きは、参院選後の円相場の反発で一服したということだろうか(図表2参照)。

【図表2】CFTC統計の投機筋の円ポジションと米ドル/円(2025年1月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成 ただこの円買いポジションの損益分岐点の目安と見られる米ドル/円の120日MA(移動平均線)は、先週(7月21日週)も146円台半ば近辺での推移となった(図表3参照)。先週前半にかけての米ドル/円は、損益分岐点より米ドル高・円安水準での推移が多く、円買いポジションの含み損の状況が改善したとは考えにくそうだ。それにもかかわらず、なぜ円買いポジションの縮小が一段落したのか。

【図表3】米ドル/円と120日MA(2022年1月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

トランプ政権の通貨政策と連携した感じのヘッジF

方向が逆ながら、2025年4月末も似たような状況だった。トランプ米大統領の相互関税発表をきっかけに「関税ショック」で世界的に株価が暴落し、米ドル/円も一時140円割れとなった。ただ、このような米ドル急落局面で、投機筋の米ドル売り・円買いはむしろ一服となった。

最近にかけて150円に近づくまで米ドル高・円安となった局面で、投機筋の円買いポジションの損失拡大が懸念される中でも、その手仕舞いに伴う円売りが一服していたのは、方向が逆ながら、上述の4月末に投機筋の米ドル売り・円買いが一段落したケースと似た状況ではないか。

2025年4月末は、「関税ショック」がやがて「米国売り」となったことで、米国の通貨当局は「米ドル危機」への懸念も強めた可能性があった。当時ヘッジFなどの投機筋が米ドル売りをやめたのは、「米ドル危機」を警戒した通貨当局、ひいてはトランプ政権への配慮があったと考えることもできる。

トランプ政権は、米国の貿易不均衡を助長する貿易相手国の大幅な通貨安を容認しない方針をこれまで何度か述べてきた。その意味では、ヘッジFの円売り一服も、トランプ政権が円安を容認しないことに配慮した動きだった可能性も考えられるだろう。

トランプ政権の円安を容認しない方針との連携は続くのか

ヘッジFなど投機筋の円買いポジションは、CFTC統計などで見る限り一時に比べて縮小したものの、なお低金利で不利な円買いということ、また2024年以前の感覚からすると大幅な状況に著変はなさそうだ(図表4参照)。その円買いポジションの手仕舞いに伴う円売りは、かねてよりこの先の円安をもたらす大きな要因と見られてきた。

【図表4】CFTC統計の投機筋の円ポジション(2005年1月~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成 ただそうしたヘッジFの円売りが、トランプ政権の貿易相手国の通貨安、日本の場合なら円安を容認しないとの方針に沿って徐々に自制が働いているなら、それはこの先の円安を制限する可能性がある要因として注目されるだろう。

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